前期の演習が終わりました🎋

さて、学部３回生の演習も大詰めです。

日本に住んでいるとあまり実感がわきませんが、一般に赤道直下のアフリカなどの暑い環境に住んでいる人々と、アラスカなどの寒い環境に住んでいる人々では、身体のプロポーションが違います。

これは各集団が住んでいる気候環境への適応を反映しているといわれています。

（詳しく知りたい方は、「アレンの法則」で検索してみてください）

今回は、現代人における多様性、特にプロポーションを知るために、生体計測をしました。

皆さんも一度は経験したであろう、身長・体重測定も生体計測の一部です。

最近は測らないという座高を測ってみます。

唐突な壁ドン。

垂直に立っている細い棒は「アントロポメーター」といって、身長を含めて、身体のいろいろな箇所を測ることができる器械です。

身長も測ります。

学生に身長を測られる教授の図。

学生と教授の距離感が近い研究室です（白目）。

学校では身長と体重を測って終わりでしたが、演習ではもっといろいろな箇所を測ります。

例えば、腕の長さを測ってみたり・・・

脚の長さを測ってみたりします。

どことどこを結んで計測するかは、解剖学的にきっちりと決まっています。

人体の構造や解剖学用語を思い出しながら、それはどこかと手探りで確認しながら測っていきます。

測り終えた値から体のプロポーションを比較してみます。

腕の長さを脚の長さで割ると、「脚に対して腕がどれほど長いか」が定量化されます。

この指標を「肢間示数（intermembral index）」といい、この値が1を下回って小さくなるほど、腕が脚より短いことを意味します。つまり、脚が長いということです。

反対にこの値が1を上回って大きくなるほど、腕が脚より長いことを意味します。

肢間示数は、移動の際に腕を使うか、脚を使うかとによって異なるとされます。

ほぼ完全に脚に頼って移動するヒトでは、この値がほかの霊長類に比べて小さい(つまり、脚が腕より長い)のが特徴です。

反対に、腕で枝からぶら下がって移動するテナガザルなどはこの値が1を超えます。

ちゃんとヒト的な数値になったでしょうか?

脚の長さを身長で割ると、「身長に対して脚がどれほど長いか」が定量化されます。

さすが学生は0.5を超えてきますが、先生は........(個人情報保護のため書けませんでした)

数か月間をかけて、じっくりと進化のメカニズムや人体の構造について学んできました。

しっかりと身についたでしょうか？

前任の先生が置き土産に残していったこの骨格標本も、前期の演習のいろんな場面で役立ってくれました。

学んだ知識が、夏休み期間中に抜け落ちないことを願うばかりです。

さて、演習後は7月のビッグイベント、そうめん流しです。（流しそうめんと呼称する流派も研究室内に共存しております。イベント的には食べることより、流すことが主でしょうからこちらの表記を採用です）。

演習から少し時間を巻き戻して、朝9時の様子。

今は令和、竹取の翁といふ者有りけり。すひたきゃんぱすの野山にまじりて、「おさるのえんりっちめんとのためやから」と大義を説きつつ、竹を取りて、まずはさうめんを流すことに使ひけり。名をばじんかの教授となむ言ひける。

※大学の許可のもと、必要最小限を切っております。

かぐや姫もうんざりしそうな暑さの中、竹を切り出しました（大変お疲れさまでした）。

出勤中の職員さんたちの怪訝そうなまなざしにも負けずに竹を運んで…

手のしびれに打ち克ち、竹を割って…

きれいに割れました！

目に涼しく食べておいしい流しそうめんに、学生もご満悦です。

全部で30束弱茹でましたが、ものの30分程度で食べきってしまいました。

終わり際に、応用認知心理学の木村先生も遊びに来てくださいました！

安富さん「（食べ足りないんだけど…まだ残りあるかな…）」

最後に遊び半分にGIF画像を。

？「そうめんが、さかのぼってるぅ！！」

暑い日が続きますが、少しは涼を感じられたでしょうか？

この後、竹は、飼育環境エンリッチメント用の資材として運ばれていきました。

夏休みの工作課題です。

それではまた！