学生、骨を読む。
- tshitarahus
- 7月4日
- 読了時間: 2分
実習と並行して、新配属の学部生は演習(座学)にも参加します。
生物人類学研究室の演習は、海外で使われている人類学の教科書をみんなで輪読します。
(アメリカで売られている教科書です。アメリカには「人類学部」があって、生物人類学のを体系的に学べる成書が出版されています。もちろん日本にも人類学の研究者はいますが、理学部・医学部・文学部になど分散しています。学問の区切り方が新鮮ですよね。)
生物人類学は、一言でいうと、ヒトの身体構造の進化を明らかにする学問です。
ということで、人体の基本構造を、まずは骨から学び始めます。

前頭骨、上顎骨、篩骨、眼窩下孔、ラムダ縫合…
頭蓋骨はいろいろな解剖学的特徴があって、覚えるのが大変ですね…
解剖の勉強は確かに大変ですが、骨は、かつて生きていたその骨の持ち主について、性別・年齢・身長・既往歴など、実にいろいろなことを後世の我々に教えてくれます。
骨を的確に読む技術が、化石骨や埋葬骨から当時の人々の生きざまを解明する研究に生きてきます。
骨の名前・位置・向き・特徴をまなびつつ、骨を計測する技術も学びます。
西村先生が、骨計測を実践してみせます。
先生が使っている道具の名前、なんだか想像つきますか?

ヒントは、次の写真を見てください!

このように額に当ててみると、昆虫の触角に似ているように思えてきませんか?
ということで、これは触角計という道具です。
二つの触角の先端の直線距離を測ることができるので、大きな骨や丸みのある骨の二点間距離を測ることに長けています。
ちなみに、英語ではSpreading caliperといいます。
鼻孔など、もう少し小さいものを測るには別の道具を使います。

この道具はノギスといいます。これは知っている人もきっと多いと思います。
最近でこそデジタルノギスが主流ですが、場合によってはアナログのノギスを使わざるを得ないこともあります。

アナログノギスならではの副尺の読み方も勉強します。
生まれて初めて副尺をよむ学生がほとんどです。
ここで学んだ骨の知識がのちの様々な場面で生きてきます。
しっかり覚えて、将来に備えましょう!