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学会発表してきました🎤

2 日前
読了時間: 6分

9月10日から13日にかけて、東京大学駒場キャンパスで開催された「第42回日本霊長類学会大会・第80回日本人類学会大会・第88回日本生理人類学会大会連合大会」に参加してきました。


日本霊長類学会と日本人類学会は、過去に何度か合同大会を開催したことがありましたが、今回は日本生理人類学会も含めた三学会合同での大きな大会です。

これら三つの学会それぞれに特色があります。大まかに言って、生理人類学会は私たち人間(Homo sapiens)の生理特性を理解して、生活の質の向上を目指す研究が展開されています。一方、人類学会は、日本列島人の起源の研究など考古学的研究ともつながりを持ちながら、化石人類(Hominina)や霊長類をも含めて、人類の生物学的特性とその多様性を理解し、その進化の理解を目指しています。霊長類学会は、もう少し動物学の方に軸足が移って、霊長類の社会や生態、形態、生理、遺伝学など多様な理解から私たちヒトの特性を理解し、その進化を展望する基礎研究や、その知見を保全や福祉の向上へと還元する実践的な研究も展開されています。

三学会の関心や対象は少なからず重なっているので、それぞれの研究成果は互いに相補的な関係にあると言えるでしょう。今回のような連合大会では、いつもと違う研究に触れることができるので、勉強になりますし、新たなネットワークもできます。我々の研究室は、いつも霊長類学会と人類学会を主戦場にすることが多いですが、生理人類学の手法や関心と重なるところが大きいです。この絶好の機会に、メンバーも日々の成果を存分に発表してきました!



口火を切ったのは、お馴染み2児の父こと安富さんです。

「ニホンザルにおける水平梯子上の四足歩行の時系列分析」について発表しました。

四足歩行時の体幹運動という刻々と変わる変化を、要約統計量で捉えると時間の情報が失われてしまい、結果がぼやけてしまうことが多々あります。そこを、関数データ解析という手法を用いることで、時間変化自体を比較することで特性を明瞭にあぶりだしました。この関数データ解析は、私たちの研究室の真下にある行動統計科学研究分野の山本先生による丁寧なご指導をいただいています。なんと、山本先生は、(ご本人曰く、かなりマニアックな)関数データ解析をご専門とされる数少ない研究者です。この幸運に感謝!!


安富さん、この度、口頭発表優秀賞を受賞しました🎉

研究内容に加え、発表の分かりやすさ、質疑応答の的確さが高く評価されました。

満面の笑みです。

ぎりぎりまで思慮熟考と練習を重ねた努力が報われて、本人はもちろん、西村教授をはじめとする研究室のメンバーともども大変嬉しく思います!

ということで、授賞式の後での集合写真をば。

いや、大変めでたい🥳

今後とも引き続き、山本先生とも共同で研究を進めていって、さらなる成果を目指します。



続いては、これが学会デビューとなる学部4回生の南さんの様子をお伝えします。

「ヒトにおける歩行姿勢による歩行と呼吸リズムの同期の変化」について発表しました!

ヒトを対象として、二足歩行時と比較して、ハイハイ時では、脚の運びの速さは変わらないけれども、呼吸のリズムは変わることを示した予報的成果です。最終的には、歩行と呼吸の同期の生体力学的な撹乱や、サル類との比較を通じて、ヒトの特性と進化なんかを明らかにできたらなぁ。という壮大な構想の第一歩です。

ロコモーション研究者をはじめとして、多くの人に聞いてもらいました。ディスカッションを通して、今後の展開のヒントをたくさんいただきました。大会前は、少し緊張していましたが、ポスターの前に立って喋っているとテンションが上がるのです。そして、何回か説明していると、なんだか成果が整理されて、綺麗なストーリーと化していくものです。終わる頃には、学会は楽しい! と、次の学会大会での飛躍を期していました。今後の展開に期待です!



教員ももちろん発表します!

設樂助教は、2題もあって忙しくしていました。

若手口頭発表で「比較筋骨格シミュレーションが示すヒトに特異的な中殿筋と小殿筋の筋内領域間機能分化」、

ヒト・霊長類比較解剖学分科会のシンポジウム「殿筋の比較形態機能学」で「ニホンザルとチンパンジーにおける中殿筋筋内神経分布の比較:ヒト中殿筋の進化的起源の解明に向けて」

について、それぞれ発表しました。

これまでは、筋の働きの変遷と進化について数理計算に基づく研究を続けてきましたが、今回初めてマクロ解剖の研究に足を踏み入れました。詳細な筋内部の神経走行の観察に基づき、リアルな手仕事からでしか分かり得ない、筋の拡縮について議論しました。殿筋🍖大好き人間として、量的指標と質的観察の両輪を回して、引き続き殿筋の機能と形態の進化に迫ってまいります。



研究室の大トリは西村教授。

別にそうしてくれと頼んだわけではなく、年齢が高くなると大会最終日に追いやられるだけのことです。

「テナガザルの発声機構と機能形態」について発表しました。テナガザルは、高く澄んだ大きな声で歌うのが特徴です。それを実現するのどの解剖学的特徴とそれが声帯振動に及ぼす効果を、ハイスピードカメラやいろんなセンサーを駆使して実証した研究です。この話、のどの解剖から始まってかれこれ10年以上なりますが、サンプルを地道に集め、声まねをしてテナガザルを鳴かせるというアクロバティックな方法でデータを取る、など色々やってきました。今回で一つの大きな結論にまとまったので、論文にしよう!

S「相変わらず話がうまいですねぇ。「漫談師」の二つ名も伊達ではないですね。」

N「誰が漫談師やねん」💢


最後に宣伝です。

来年の第43回日本霊長類学会大会は、阪大が主催します!

(写真は懇親会で次回大会長の西村教授が挨拶している場面です)


来年は私たち、ということで、今回の大会の素晴らしい運営は大変参考になりました。寺田助教は、昨年度まで東大にいたので実行委員でもありました。次回大会でその経験を存分に発揮してもらいたいです。


我々ヒトは、霊長類という大きな木の幹から伸びる一つの枝です。我々自身を理解するには、進化過程における我々の隣人にあたるサルたちとの比較が重要です。「サルを見てヒトを知る」ことを目指して、国内外のフィールドで、はたまた実験室で、さまざまな研究が展開されています。その最先端を走る研究者が一同に会する場が霊長類学会大会です。


次回大会の日程は2027年7月9日から11日の三日間で、メイン会場は阪大豊中キャンパスと阪大中之島センターです。大阪キタの中心地・梅田から、会場最寄りの阪急石橋阪大前駅まで約15分の立地です。その後、長ーい阪大坂を登るという試練はありますが、涼しい会場でお待ちしています。

そのほか、中学・高校での出前授業や、公開シンポ、高校生を対象としたワークショップなど多彩な催しを企画しています。来月から、プレイベントも続々です。

みなさま是非お越しください!

 
 

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