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修論公聴会に臨みました🎤

  • 2月12日
  • 読了時間: 3分

1/26、27、30の三日間で行動学系の論文公聴会が開催されました。

公聴会とは、修士論文と博士論文が公の場で審査される会のことです。

この審査に合格してはじめて修士号・博士号が授与されることもあって、年度末の一大行事です。

生物人類からは、博士課程前期の有竹さんが修論公聴会に臨みました!


有竹さんの修論のタイトルは「ニホンザルの環椎肩甲筋の神経支配に関する解剖学的研究」

環椎肩甲筋とは、脊椎の一番上の環椎と肩甲骨とを結ぶ筋肉です。ニホンザルには、前環椎肩甲筋と後環椎肩甲筋という二つの筋肉があるのですが、ヒトでは前環椎肩甲筋が喪失したと考えられてきたました。なぜでしょう。

肩まわりの筋は、前肢を移動運動に使うサル類と、前肢が移動運動から解放されて操作・探索を主とする上肢として振る舞うヒトとでは、求められる機能が根本的に異なり、ゆえに筋の形や配置も二者間で異なるのです。

肩回りの筋、特に環椎肩甲筋に焦点を当てて、二足歩行の進化に伴って、その形と配置、そして機能がどのように変化したのかを解明することが、この研究の核心的な問いです。

では、そもそもニホンザルに見られる前・後環椎肩甲筋とはどういう由来をもって、どのような機能を有しているのでしょうか。

筋の形や配置は種によって様々ですが、一方で筋を支配する神経は、進化の過程で保存的であるとされます。

つまり、筋の形がどれほど違っていても、筋の支配神経を見つけて同定すれば、その筋の相同性に基づき筋形態の進化的変遷を推察することができます。

本研究では、ニホンザルの前・後環椎肩甲筋の支配神経を探索し、肩周囲筋の配置が進化過程でどのように再編成されたのかについて考察しました。


マクロ解剖の研究はとにかく時間がかかるうえ、繊細さと忍耐強さが求められます。

髪の毛のほどに細い神経を慎重にたぐりながら、メスを入れていきます。

佐賀大では2週間缶詰になって朝から晩まで解剖しました。

阪大でも、追加で2個体解剖してデータを増やしました。

その努力の甲斐があって、前環椎肩甲筋は筋と支配神経が異なる進化的由来を持つ複合体であったと結論し、さらにヒトで前環椎肩甲筋が喪失した適応的意義にも論を進めることができました。

審査では、鋭いご指摘や、視野を広くとっての議論もありました。

解剖技術と議論の進め方に高い評価をいただき、無事、合格しました。


はじめは筋電図の電極を入れる位置を調べるために着手した肉眼解剖でした。

しかし、その奥深さに引き寄せられ、気が付けば修論のメインテーマとして取り組むことになりました。

一個体目の時には、何が何かわからず解剖アトラスとにらめっこしながら手探りで進めていたこともいい思い出です。

年を跨いで、公聴会まで走り切った労をねぎらいたいと思います。

大変お疲れさまでした!


次は、論文化に向けて歩みを進めます。

まだ、一つ二つと苦労が続きますが、晴れて論文受理の日まで頑張りましょう。

 
 

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