未熟な赤ちゃんの進化
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西村教授は、東大の海部陽介教授らの研究チームに参画して、ヒトの特有の未熟な赤ちゃんがジャワ原人などホモ属の古くから進化したことを明らかにしました。
思い返せば、このプロジェクトが始まったのは2013年。最初に海部さんが科研費を獲得して、ドイツ各地の博物館を巡って類人猿頭骨の計測に出かけたのも、もうセピア色の思い出です。その後、多くの共同研究者が加わって、現代人や化石のデータが充実して、解析方法が洗練されて、今に至るです。

詳しくは、本学のプレスリリースをご覧ください。
研究成果のポイント
ヒトは「未熟な赤ちゃん」を産むように進化してきたと言われていますが、それが人類進化史のどこで始まったかは不明です。この難題解決のための新手法を考案しました。
ヒトの頭骨には、しばしば「変形性斜頭」と呼ばれる歪みが生じることが、医師の間で知られています。これは出生時のヒトの頭骨が未発達な上、頸部の筋が弱く「首が座っていない」ため、頭骨が歪みやすいことに起因しています。
我々は、このような頭部の強い歪みがヒトに独特の現象で、従ってそれがヒト的な「出生時の未熟さ」の指標になることを複数の統計手法から確かめました。さらに、ジャワ原人とフローレス原人の化石頭骨にそのような歪みが認められたことから、これらの人類の赤ちゃんが未熟であったことを示しました。この発見は、母親の難産、出生と育児における協力行動、さらに脳サイズの増大といった「人間らしさ」の理解に、大きな意味を持ちます。
Kaifu Y, Yano W, Hikosaka M, Shimizu D, Nishimura T, Kubo D, Adi Suriyanto R, Jatmiko, Sutikna T, Morimoto N &Kurniawan I (2026) Cranial evidence for human-like helpless infancy in Homo erectus and Homo floresiensis. Proc. R. Soc. B 293 (2075): 20261055. https://doi.org/10.1098/rspb.2026.1055



