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解剖学会で発表!

  • 3月31日
  • 読了時間: 3分

更新日:6 日前

設樂さんと有竹さんが、解剖学会で研究発表をしました。

今年の全国学術集会は、なんと第131回。解剖学会は、日本の数ある学会でも有数の歴史の長い学会です。第1回大会は、なんと1893年(明治26年)にさかのぼります。

今から130年以上昔から連綿と続く解剖学者たちの会話に参与したと思うと、誇らしさに似た何とも言えない気持ちになります。


生物人類学は、自然人類学や形質人類学とも呼ばれます。その歴史は、ヒトとサル類の身体の形やつくりを比較することで、ヒトの特徴を見出し、それがどんな進化の歴史を歩んできたのかを知ろうとするところから始まりました。

今では、形態のみならず、遺伝子やゲノムといった分子試料も扱いますし、コンピューターや高度な統計的手法で数値シミュレーションをしたりと、その範囲は広がっています。

昔の高名な人類学者は、骨やご献体を丁寧に観察して、「ヒトとサルのここが違う!!ここは実は同じ!!」ということを発見し、記述してきたのでした。現在の生物人類学がかくも広く発展してきた基盤は比較解剖学にあり、と言って間違い無いでしょう。


現代の解剖学は、さらに微細な世界に進んで、顕微鏡レベルでの組織学的な研究がメインストリームであるように思えます。そんな中でも、体のつくりやその働きの相違については、まだ手をつけられていない重要な課題が残されたままなのです。今回の2題は、人類の直立二足歩行への形態適応の一端を拓いた、出来立てほやほやの研究成果です。



学会会場では撮影禁止だったので、代わりに研究室前の廊下で撮った写真を載せました。


ヒトの腰の骨(専門用語で腸骨といいます)は、上から見ると、大きく前に(腹側に)回り込んでいるのが特徴です。これはサルにはみられないもので、二足歩行を効率よくするための形態進化を反映しているといわれています。この回り込みにより、この骨に付く筋肉の一つである中殿筋の付着する部分も前側へと広がって、二足歩行の脚の運動を支えたのではないか?

そんなアイデアを確かめるために、ヒトとサル類で、中殿筋にある末梢神経がどこに入っているのかを調べました。筋と神経とはセットで変化するので、それらを比較すると、サルの中殿筋のどこの部分がヒトではどう拡大しているのかを見ることができます。今回は、ニホンザルの結果を発表しました。やはり、サルとヒトでは決定的な違いがあるようです。これから、他のサルも見ていこうと思います。




有竹さんの修士論文の研究も発表してきました!

肩周りの筋は、当然のことながら三次元的に配置されていて、さらに、魚で言うところの鰓のところと体の境界にあたっていて、その進化的由来も複雑なんです。その境界にある環椎肩甲筋(第一頸椎と肩甲骨を結ぶ筋)の比較が有竹さんのお仕事。

樹上四足歩行のニホンザル、体を起こして歩くナックル歩行の類人猿、そして直立二足歩行のヒトでは、肩の使い方が全く異なります。この筋のかたちや配置の違いは、そんなロコモーションによる肩の機能の違いを反映しているのでは?

そんなモチベーションから、ニホンザルにおける環椎肩甲筋の支配神経を探索して、この筋の四足歩行に対する機能適応を見出しました。


さすが解剖学会。比較解剖の専門家が集っています。他の学会では「中殿筋???」「環椎肩甲筋???」となるところが、鋭い指摘に答えを窮する場面もあったりと、多くの方に来ていただきました。大変勉強になりました。この議論を受けて、論文化に向けて歩みを進めていきたいところです。


発表に使ったポスターは、人科棟本館2階の西ウィングにある研究室の廊下に掲示してあります。これを機に、研究室前にピクチャーレールを設置予定です。生物人類学研究室で行われている研究の最先端を覗きに、ぜひ遊びに来てくださいね👋

 
 

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